コロナ以降の世界観

ジュリアス・ベア(スイスのチューリッヒに本拠を置く、主に富裕層の顧客をもつプライベート・バンキング専業大手)のホームページで、6月4日にアップされた「コロナ以降の世界観」が参考になったので主要部分を紹介します。

リンク先記事の最後にEメールアドレスを入力することにより、コロナ危機後の世界について、経済・政治・グローバリゼーション・社会・医療・投資等の分野における英文報告書をダウンロードすることができます。

デジタル化への飛躍的な前進?

デジタル化への構造的な傾向はコロナ危機のかなり前から確立されていましたが、危機以降、デジタル化の速度は少なくとも2ギア高いシフトに移行した。

デジタル化は複数の分野で起こっている。Eコマースは何年にもわたって小売店の基盤を築いてきたが、経営難に陥った実店舗に最後の打撃を与えるのは、コロナ危機による収益減であろう。現金はすでに、デビットカードやクレジットカードなどのデジタルソリューションに対して、徐々に主要な立場を失いつつある。

コロナ危機は、従来の「利便性の議論」に健康リスクを加えたことで、より速い変化を実現した。現在、音楽コンサートの大部分が中止となり、ほとんどの映画館が閉館している。その代わりにビデオや音楽ストリーミングはブームを迎え、前年比で2桁増の成長率を示している。

多くの企業にとって、「デジタル化が遅れているという長期的な脅威」が、より短期的に高まっている。この危機は企業だけでなく、個人にも大きな打撃を与えつつある。デジタル・デバイド(情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差)の問題が最前線に躍り出たのだ。

低所得世帯では、家族の人数分のパソコンを所有していない。これは学校教育がオンラインに移行したときに問題になる。 さらに低所得者ほど、在宅勤務ができない仕事(ファーストフードのコックやレジ係など)が多くなる傾向にあり、所得がより低くなる危険にさらされている。

在宅勤務が広く受け入れられるようになった今、「ビジネス出張」は、コロナ前の頻度に決して戻らないであろう。企業はコスト削減に努め、環境にやさしい企業としてふるまう。実際にビデオ会議を介して相当の取引が可能であり、物理的な存在を必要としないことを認め始めた。

在宅勤務はもちろん仮想的な接続が増え、サイバー犯罪者の潜在的な攻撃を増大させる。それにもかかわらずコロナの危機的状況下によって、企業は収益を減らしているため、短期的にはサイバー・セキュリティーに少額の投資しかできない可能性が高い。ただし、長期的な成長において、デジタル化の深耕が必至であることに変わりはない。

最近まで気候変動が我々の時代の最大の課題として広く見られていたため、ESG投資(Environment環境・Social社会・Governance企業統治の3つの観点から投資)における重要な傾向も環境に焦点を当てていた。

ところが、最近、焦点は社会的側面つまり、コロナ健康危機によって増幅された発展を含む課題にシフトした。顧客や投資家は、不安定な雇用条件(すなわち非正規社員)を採用する企業を避ける傾向が強まっており、企業は社会的要因を含めることで付加価値を高めることができることを認識し始めている。

ますます多くの企業が、株主だけでなくすべての利害関係者に価値を生み出すことの重要性を訴え始めた。これは規則の増加と相まって、環境面ですでに確立されている情報に次いで、社会の支柱にとってもより良い情報をもたらすであろう。

この重要な試練の衰退期をようやく突破した持続可能な投資は、今まさに離陸の構えを見せている。投資戦略が成熟するにつれ、供給とプロ意識が高まる中、危機的状況によって拡大した需要が予想される。

(juliusbaer.com)

https://www.juliusbaer.com/en/insights/market-outlook/the-world-after-the-corona-crisis-digitalisation-investing/

2 thoughts on “コロナ以降の世界観

  1. そういえば、もう35年のむかし、某メーカーで働いてまして、ビジネス出張が頻繁にありました。やれ神奈川だ、静岡だ、広島だ、……といった具合。
    取引先と話す時間はいつも30分ほど。
    先輩社員とふたり、新幹線を使って、宿をとって。
    なんたるもったいないことだろう、などとひとり感じていました。

    そして今。
    「ビデオ会議」いいよなあ!、と嘆声を上げたいいっぽうで、当方すっかり「デジタル・デバイド」でいう弱者になっているのでした。やり方が分からない、ということによる弱者なのです。

  2. 営業という仕事柄、そんなこと(1日に実のある仕事が小一時間)が頻繁にありましたね。ただ会社の上司や同僚には、昨晩のキーマンとの接待報告、日帰りでは汗をぬぐって帰社したり「やってる感」のアピールはしていました。
    動画制作配信をしていれば十分情報強者と思います。

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