ソウルでシニアを対象にスマートフォン切り替えを支援

ソウル市では「高齢者向けスマートフォン普及事業」により、コロナ禍でますます拡大したデジタルデバイド(インターネット等を自在に扱う者とそうでない者との情報格差)を埋めるべく、魅力的な高齢者優遇策を打ち出しています。

本事業での高齢者とは65歳以上の人です。当記事の高齢者とは定年後の老後を楽しむ世代を指していると考えてください。

日本では定年年齢が、1980年頃までは55歳でした。ところがその後、「バブル崩壊後の経済低迷」や「年金支給開始年齢引き下げ」と歩調を合わせるかのように、定年が60歳から65歳へと繰り下げられていきます。

記事の主人公である71歳で現役のパク・ビョンヒョク氏は、奮起して療養保護士(韓国で2008年に制度化された介護ヘルパー及び療養計画の策定や相談まで行う国家資格)の資格を取りました。

インターネットにアクセスしなくては仕事にならないことが、スマートフォンに切り替える動機だったのですが、それを行政の施策が後押ししてくれます。 ソウル特別市のウェブサイトで、12月8日、ユン・ヘスク氏が本事業を記事にしました。

ソウルで高齢者向けスマートフォン普及事業 人気の秘訣は?

パク・ビョンヒョク氏は今年71歳だが、まだ仕事をしている。家の近くに療養保護士学院ができたのを見て、学院で資格取得に必要な勉強をした。新型コロナ感染症によって試験が延期され、11月に試験を受けた後、12月に合格の知らせを受けた。

療養保護士として働くためには国民健康保険公団にアクセスしなければならないので、7年間使っていた2G携帯電話(第2世代の移動通信システムを採用した携帯電話のこと、現在は5G携帯電話)を今年中にスマートフォンに切り替えなければならない。

ある時、パク・ビョンヒョク氏はマスクを受けるために住民センターを訪れ、壁面に貼られたポスターを見た。ソウル市が配布した「高齢者向けスマートフォン普及事業」を知らせる広報ポスターだった。

ちょうどスマートフォンに変えたいと思っていた矢先、ソウル市が支援してくれるならば、ためらう理由がなかった。パク・ビョンヒョク氏はこれまで、2G携帯電話を使っていて、たいした不便なことはなかったという。電話と文字だけを利用する程度だった。周りからスマートフォンを取り出して見せられても特に興味を示さなかった。

ところが、これから療養保護士として働くためにはインターネットを利用しなくてはならない。 パク・ビョンヒョク氏は、ソウル市が支援する「高齢者向けスマートフォン普及事業」の最大のメリットとして、毎月の料金が2年間1万8,600ウォン(約1,767円)であり、2年後は8,900(約846円)ウォンなので、負担にならないことを挙げた。月2万ウォン(約1,900円)足らずの料金を負担する程度でいいと言われた。

パク・ビョンヒョク氏は、ソウル市が進めている「高齢者向けスマートフォン普及事業」についてよく知らないがスマートフォンに切り替えていない高齢者のために、「本人が必要性を感じなければならない。普段からスマートフォンに買い替えようと一度でも思ったことがあるなら、この機会に買い替えることを強く勧める」と語った。

LG電子ベストショップ龍頭店を訪問したお年寄りは、初めてスマートフォンを使用するため、店員から電話のかけ方、電話の切り方、メールの送信、連絡先の保存などの基本機能を学習した。

店員がA4用紙にお年寄りが認識できるように、簡単な図と説明を加えながら、ゆっくり説明すると、年配の方は、スタッフの説明に基づいて、スマートフォンを開いて練習する。店員がお年寄りに使っている途中でわからないことがあれば、最寄りの支店で店員に聞くよう伝えたためか安心して席を立っていた。

LG電子ベストショップのキム・チャングン支店長は、「高齢者のニーズに合わせたスマートフォン普及事業」に関心を持つ方が多く、問い合わせや訪問が相次いでいるという。10月15日から販売を開始し、12月4日までの訪問者数は累計100人余り、その間にはスマートフォン60台を販売した。ほかの支店より販売台数が多いということだが、その理由を聞くと「龍頭店のある東大門区庁から、YouTubeに広報映像を流し、住民センターや高齢者福祉会館を通じて宣伝した結果だと思う」と慎重に回答した。パク·ビョンヒョク氏がポスターを見て、本事業を知ったということからもわかる。

使用中の2G携帯電話の契約期間が残っていて買い替えができない場合を除いて、すべての高齢者がスマートフォンに交換したほど反応がいい。それでは高齢者は、どんな点で満足しているのだろうか?キム・チャングンマネージャーは基本料が安いという点を真っ先に挙げた。高齢者に販売するスマートフォン機能であれば、少なくとも3万ウォンの料金を払わなければならないが、ソウル市の支援事業により、月額料金2万ウォン(約1,900円)未満となる。

お年寄りたちは、スマートフォンを初めて使用するとき、料金が高くなることを心配している。いくら機能が良くても、料金が高ければお年寄りは首を縦に振らない。ところがソウル市は、月額2万ウォン(約1,900円)以下で「高齢者カスタム・スマートフォン」を普及しているのでお年寄りの喜びを得ている。高齢者は通話量無制限である点も良い。

普及するスマホの条件を調べてみた。広報ポスターにもあるように普及機種は、今年初めに発売した6.5インチ大のスマートフォンで、画面が大きく、高齢者が利用しやすく、月額料金2万ウォン以下で安く利用できる。すでに月1万ウォン以上の料金を支払うフィーチャーフォン(音声通話中心の携帯電話)利用者は、大きな追加費用なしに最新のスマートフォンや1.5GBデータ、無制限の音声·文字サービスを利用できるようになる。

高齢者の多くは電子機器の使用説明書を読むのが苦手だ。文字が小さく機能が詳細に記されていないためだが、折りたたみ携帯電話からスマートフォンに交換するお年寄りにはソウル市が配布した取扱説明書をプリントアウトして差し上げていた。

電話をかけたり切るなどの基本的な使用についての説明が細かく書かれている。龍頭店を訪れるお年寄りがスマートフォンに買い替えながら、どのような機能を好むかについて聞いてみた。キム・チャングン支店長は「文字サイズを大きく調節することができて、映像を視聴できるのが好かれる」と答えた。

ソウル市は高齢者のスマートフォン保有率を引き上げ、新型コロナ感染症以降さらに拡大しているデジタル格差を縮めるため、高齢者のニーズに合わせたスマートフォン普及に乗り出している。LG電子、KTエムモバイル、ハイプラザの3機関と連携している。高齢者のニーズに合わせた料金プランは、ソウル市内の35か所のハイプラザ直営LGベストショップで加入できる。加入対象は満65歳以上のソウル市民で、申請期間は2020年10月12日~12月31日までだ。

(seoul.go.kr)

http://mediahub.seoul.go.kr/archives/1304553

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