チェルノブイリとフクシマ

LIVE SCIENCEのシニアライター ミンディー・ワイズバーガー氏が、5月24日、チェルノブイリ原発事故から33年を経て、福一原発事故との比較を記事にした。

両方ともレベル7の史上最悪事故であったが、衝撃・危険性において、チェルノブイリが大きかったとまとめている。

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両事故ともに、事故直後はヨウ素131の放散が、最たる脅威であった。ヨウ素131は半減期8日であり、危険性はまもなく消失した。

両事故ともに、半減期30年という長期に害をもたらすストロンチウム90とセシウム137が主要な危険物質としてあげられた。

エドウイン・ライマン氏(上級科学者ー原子力安全プロジェクト長代理)によれば、原子炉建屋が吹き飛んだチェルノブイリ事故で飛散したセシウム137は85PBqに対し、福一事故においては25PBqにすぎない。

チェルノブイリ事故の爆発で2人亡くなり、事故から3ヵ月間にワーカー29人が死亡。ウクライナにおいて、数年後に子供の癌が90%以上増加したことがタイム誌に掲載された。国連エージェンシーの2005年レポートでは、およそ4千人が、被曝によって亡くなると推定した。

グリーンピース・インターナショナルは、2006年、ウクライナ、ロシア、ベラルーシで9万3千人亡くなり、27万人が癌を発症すると見積もった。

一方で、WHO(世界保健機構)によれば、福一事故による死者あるいは、当該事故による被曝症例はない。しかしながら、日本の大胆な事故対応で10万人が事故現場周辺から移住し、その影響で間接的に1千人前後が亡くなった。ほとんどは66歳以上であったと、World Nuclear Assosication(世界原子力協会)が報告した。

福一事故の環境面における影響はいまだにわからないが、蝶の遺伝子変異が、増えていることが確認された。

福一原発から漏れた汚染水は、米国西海岸に2014年に到着した。専門家は、人間の健康への恐れはないという。

2018年には、研究者がカリフォルニアワインに福一由来のセシウム137の増加を報告したものの、消費しても危険はないと明言した。

チェルノブイリ周辺の放射能レベルが広範に変わる。ドローン(無人航空機)の調査で、ウクライナのレッドフォレスト(枯死した森林)が、今まで知られていなかった「ホットスポット」に集中することが、今月明らかにされた。

福一は営業中(事故に遭った原子炉を除く)にもかかわらず、安全についての懸念がぐずぐずと続いている。東京電力は緩和された外国人材受け入れ(特定技能1・2号在留資格の創設)にかかわらず、外国人労働者を使わないことを発表した。日本語の不自由な外国人が、詳細な安全手順を守ることは困難と判断した(The Japan Times 5月23日)。

エドウイン・ライマン氏は、「世界の電力需要における主要な役割を演じるための安全への挑戦を決して過小評価してはいけない。監査機関とオペレーターにとって、不測の事態に常に備えることが最重要である」と述べた。

(LIVE SCIENCE) https://www.livescience.com/62824-about-us.html

上記事には、福一事故による死者・被曝症例はないと記されているが、昨年9月5日、朝日新聞デジタル等は「厚生労働省が、福1原発事故の放射線管理等に従事した50代の男性(死亡)について、発症した肺癌の原因は放射線の被曝として、労災認定した。同省は原発事故を巡る労災申請は17人で、これまで白血病が3例、甲状腺癌1例が労災認定されている」と発表した。

蝶の遺伝子変異については、琉球大学大学院理工学研究所の生物学者 野原千代氏が、琉球大学の大瀧丈二准教授率いる研究ヤマトシジミ奇形論文の発表(放射線の遺伝子への影響 2012年11月29日ジュネーブ)を行って、高い評価を得たのもつかの間、文部科学省によって、琉球大学のヤマトシジミ研究費カット(2013年6月)という処分(報復?)がなされた。

その後、野原千代氏は、2015年10月28日に急性心不全で不慮の死を遂げた。

2 thoughts on “チェルノブイリとフクシマ

  1. 国策絡みのことにはとりわけ、情報管理によって真実が隠されるといったことがありますね。恐ろしいことです。
    (原発についてはとにかく、縮小、やがては 無し に向かって! 世界 においてそうならなければいずれまた恐ろしいことが起こるでしょう……)

  2. 国策とあれば、国民も従順になってしまうような気がします。おとなしく、権力に対して寛容な国民性が仇とならないように祈るばかりです。

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