ニューヨーク、1000件のレストランでフォアグラ禁止

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)で、10月30日、ジェフリー・C・メイズ氏とアメリア・ニーレンバーグ氏が、ニューヨーク市における来る2022年からのフォアグラ販売の禁止を記事にしました。

ニューヨーク、1000軒のレストランでフォアグラが禁止

ニューヨーク市議会は、2022年からフォアグラの販売を禁止する法案を、10月30日に圧倒的多数で可決しました。

動物に対する残虐の懸念を理由に、ガチョウやアヒルの肥えた肝臓であるフォアグラ販売の禁止をカリフォルニア州に続いて、ニューヨーク市が行います。

ニューヨークは世界ダイニングのメッカです。「ニューヨークにフォアグラがないのはなぜ?次は何だろう。もう子牛はだめか?マッシュルームもだめか?」ユニオンスクエア近くにありフォアグラ前菜を提供する評判のフランス料理店「トクビル」のオーナー兼執行シェフ、マルコ・モレイラ氏は述べました。

ほとんどのフォアグラは、ガバージュと呼ばれる方法で生産されます。ガチョウの肝臓に脂肪を含んだトウモロコシをベースにした混合液を強制的に注入します。このプロセスでは、20日間ガチョウの喉にチューブを挿入し、肝臓を標準サイズの10倍まで肥大させる必要があります。

動物活動家によれば、この処置によってガチョウは大きくなりすぎて歩けなくなるし、殺される直前は呼吸もできなくなります。

フォアグラ法案を後援したマンハッタンのカルリーナ・リベラ議員は、「今回の法案により、食品業界でもっとも冷酷なプロセスに切り込むことができた。これは最も暴力的な習慣の一つで、純粋な贅沢のために行われている」と彼女は述べました。

対するフォアグラ農家は、強制給餌は残酷なものではなく、拷問の主張は誇張されている。贅沢品のために、フォアグラには偏見があると言います。

インド、イスラエル、英国など他の国々もフォアグラの販売や生産を禁止しました。 ホールフーズ・マーケット(米国のグロサリー・ストア)は1997年に残酷さを理由に販売を中止し、ポストメイツ(フード・デリバリーサービス)は2018年に配達を中止しました。

ニューヨーク市内の約1000軒のレストランのメニューにフォアグラがあります。フォアグラを生産するニューヨーク市北部の農場により大きな影響が及ぶかもしれません。

サリバン郡のハドソン・バレー·フォアグラとラ·ベル·ファームによると、約400人を雇用しており、ニューヨーク市への販売が売上の約30%を占めているそうです。ハドソン・バレーは、1日800頭のガチョウを屠殺し、昨年1500万ドル相当のフォアグラを販売したと発表しました。

重さが90グラムのフォアグラ用肝臓は125ドルで売れ、ガチョウの骨と羽はドッグフードやコートなどの他の製品に使用されるとラ・ベルの創設者であり、キャッツキル・フォアグラ・コレクティブの責任者であるセルジオ・サラビア氏は言いました。 (中略)

動物権投票の創設者であり大統領であるアリー・フェルドマン・テイラー氏は、動物権パッケージは食物や娯楽に使用される動物を保護し、ひいては野生生物も保護すると述べました。

彼女はこの法案を「私たちの街の歴史の中で最も重要な動物の権利に関する法律」と見なし、ニューヨーク市がより思いやりのある情け深い街になっている証拠だと語りました。

(nytimes.com)

https://www.nytimes.com/2019/10/30/nyregion/foie-gras-ban-nyc.html


バタリー・ケージで飼育される鶏

カリフォルニア州では、2012年7月1日、フォアグラ生産および販売の禁止法案(2015年に同法は施行棚上げされたものの、その後の控訴審で蘇っている)を施行しました。

今度は世界一の味が集結するニューヨークで2022年から販売禁止が施行されるというニュースです。

カリフォルニア州の例では、フォアグラを無償で提供するという抜け道がありました。フォアグラを無償で提供することは、販売にあたらないため、違法(1,000ドル以下の罰金)にならないのです。

また、お客がフォアグラを持参してレストランに持ち込み料理をしてもらったり、私的な晩餐でフォアグラが供されたりすることはあったようです。

フォアグラの生産と販売は禁止されたものの、販売をせずに無償で提供したり、家族や知人等の身内で食べることまでは禁じられていないのです。

世界三大珍味といわれるキャビア、トリュフ、フォアグラの中でも、ガバージュという人工的な強制給餌(きょうせいきゅうじ)が必要な食材であることが議論を呼んできました。

ガチョウは体重の3分の1にせまる「トウモロコシをベースにした混合液」を喉からチューブで流しこまれるのです。たしかに残酷で不健康な飼育です。

※フォアグラに使用されるのはガチョウとアヒル:野生の雁(ガン)を家禽化したのがガチョウで、野生の鴨(カモ)を家禽化したのがアヒル

※新鮮なチョウザメの卵を塩漬けにしたキャビアは、乱獲で激減したチョウザメを補うため養殖が導入されている。 楢・樫林の地中に自生している香り高いきのこであるトリュフは、嗅覚の鋭い犬を頼りに掘り起こすしかなく、あまりにも希少になりすぎたためトリュフも養殖が行われるようになってきた。

養鶏飼育環境の向上急務

 ガチョウへのガバージュ(強制給餌)が特段残酷なわけではありません。たとえば、日本人の主食とも言ってよい卵です。国内採卵養鶏業では、9割以上がバタリー・ケージ(Battery cage)を使っています。

ワイヤー製のケージを連ねて、~5段に重ねることで大量の鶏を集約飼育することができます。

一羽あたりのスペースは幅18㎝・奥行き26㎝・高さ30㎝くらいしかなく、ほとんど身動きがとれない状態で、卵を産み落とすためだけに生涯を捧げます。

前にも後ろにも下がれず、羽も広げることさえできません。

ケージ内には、巣、土・砂場や止まり木がないため激しいストレスを溜めます。

移動できないため、爪が伸びまくり金網に絡んだりします。

これらのストレスによって、バタリー・ケージの鶏はクチバシによる仲間へのツツキを始めます。その際に、仲間を傷つけないように、雛の段階でクチバシを麻酔なしで切断(デビークまたはビークトリミング)します。あまりの痛みでしばらく水も飲めなくなる雛がいます。

欧州ではバタリー・ケージからエンリッチド・ケージ(スペースを拡充したケージ)そして平飼いへと飼育方向が変化しています。

あまりにも酷い飼養方法の改善が望まれます。ありとあらゆる家畜はストレスに晒されており、飼育環境の改善余地はとてつもなく大きいのです。

飼育環境の改善はコストアップ要因になりますが、免疫力の高い健康な家畜が増え、身体が引き締まって美味しくなる、日々世話をする農家のやりがいがアップする等の効果も期待されます。

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