ハメネイ師 米に烈しい報復を宣言

新年早々(1月3日)、米軍がイランの革命防衛隊カセム・ソレイマニ司令官を殺害したとのニュースが入ってきました。

ソレイマニ氏は国外の特殊作戦にかかる精鋭コッズ部隊の司令官で、中東地域の外交・軍事の実力者として人望の厚い英雄でした。ソレイマニ司令官は車でバグダッド空港を出ようとしたところを、米軍のドローン空爆を受け殺されました。

5人の死亡者(1月3日推定)の中には、カタイブ・ヒズボラ(レバノンのヒズボラから支援を受けているシーア派組織KH)の最高指導者でかつイラン革命防衛隊のアブ・マフディ・アル・ムハンディス副司令官も含まれていました。

米国防総省の報道官は3日、「トランプ大統領の命令により、在外アメリカ人を守るための断固たる防衛措置(上記ドローンによる空爆)をとった。すでに中東に在留する米軍約14,000人、今週初めクウェートに派遣されたばかりの約750人に加えて、約3,000人の米軍兵士を増強する」との声明を出しました。

これに対し、イランのモハンマドジャバド・ザリフ外相は、米国の国際テロ行為を、非常に危険でばかげた挑発行為であり、米国のならず者的行為がもたらすあらゆる結果の責任を負うと警告しました。最高指導者のアリー・ハメネイ師は烈しい報復を宣言したばかりです。

米・イランの対立に巻き込まれる諸外国

日本政府は昨年12月27日の閣議決定で、中東を航行する船舶の安全確保をめざし自衛隊を周辺海域に1年間派遣することを決めたばかりです。

内容は哨戒機を2020年1月、海上自衛隊護衛艦を2月から投入し、部隊規模は約260人と見込んでいます。

カセム・ソレイマニ司令官、アブ・マフディ・アル・ムハンディス副司令官というイラン国防上の中核的な指導者を殺害したことは、燻っていた米・イラン関係を決定的に悪化させる転換点になったことは間違いありません。

新年早々、中東で緊張が極度に高まり我が国の自衛隊まで巻き込まれることが懸念されます。

韓国のDongA.comの国際ニュースでは、1月4日に北朝鮮の立場を、記事の中で次のように報道しています。

イラン軍の実力者、米空爆で死亡、北朝鮮は挑発機会を得るのか?脅威を感じるのか?

シン・ボムチョル対外経済政策研究院統一センター長は、ニュース1との会話で、「中東が不安定になれば北朝鮮が挑発をしても、米国が軍事的に対応する可能性は低くなる。

一方で米国の空襲によりイラン軍首脳部が殺害されただけに、米国の正確な情報力と攻撃力を北朝鮮が恐れるようになる側面もある」と評価した。

米国は1990年代までは中東とアジアで戦争を同時に行ういわゆる2つの戦争(major theater war)戦略を展開したが、予算不足などを理由に2000年代半ばにこの戦略を修正した。北朝鮮としては挑発できる余裕が生まれるということだ。北朝鮮が核保有にもっとこだわり、核保有国として認められようとするという予測も出ている。

マサチューセッツ工科大学(MIT) のヴィピン・ナラン教授は、ツイッター(@NarangVipin)に「この事件が(金正恩委員長の立場で)核兵器強国になる理由だ」とつぶやいた。

北朝鮮の朝鮮国際政治問題研究所は、2016年4月に「もし我々が自衛的核保有の道を捨てて屈従していたならば、イラク、リビアやアフガニスタンをはじめ、世界の至るところで血と涙、災難と不幸の悲劇がそのまま再現された」と明らかにしている。

北朝鮮の金正恩委員長は昨年12月28日から31日まで行われた労働党全員会議報告で、自力更生を通じた正面突破の意志を打ち明けた。経済を基本戦略と規定しながら、制裁に対応した耐久力を強調した。

さらに「衝撃的な実際の行動や新たな戦略兵器を目撃することになるだろう」として挑発に乗り出す可能性があることを予告した。北朝鮮は低強度の武力挑発を皮切りに、水位を高めながら米国と韓国側に圧力をかけていくだろうと、多くの専門家は予想している。

 (donga.com) http://www.donga.com/news/article/all/20200104/99078711/1

コメントを残す

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *

CAPTCHA