リーダーシップ(その教えは誤り)

BUSINESS NEWS DAILY(英国の中小企業・起業家支援サイト)に7月4日、シリ・ヘドリーン氏が、世の中に広く知れ渡っている「リーダーシップの教え」の誤りを指摘した。

「人を、あなたが扱われたい態度でもって扱いなさい」

ブライアン・ザウィコフスキー氏(Lucas Group、人材派遣会社の副社長兼事業部長)がリーダーに昇進した時、チームメンバーは自分を動機づけたものと同じものによって動機づけられると思った。

熱狂的なエネルギー、ハイタッチ、成果報酬の競争、朝早く来て遅くまで仕事して、働くために生きた。

ところが彼のチーム・パフォーマンスは落ちてきた。

プロパー幹部社員から「誰もがまさに自分のような働き方をすると期待してはならない」と言われ、自らのリーダーシップに落ち度があったことに気づいた。

ここから学んだのは、誰もが個性やおかれている境遇によって、異なる動機付け要因を持っているということであった。

彼は「チームの効果的リーダーでありたいのであれば、私が人を、その人が扱われたい態度でもって扱う必要がある」と述べた。

「できるようになるまで、できるふりをしろ」

EVEREVE(アパレル関連ショップ)CEOのミーガン・タムテ氏は、「できるようになるまで、できるふりをしろ」の概念に反対だ。

彼女はショップをオープンした後、リーダーの役割を初めて引き受けた。

その概念は、自分が知っている以上のことを知っているふりをする、または、しかるべきものに、あたかも自らがなったようなふりをすることだ。

かわりに、彼女は正直に、自分の物語を話し、理由を人々に説明することによって、結び付けたかったビジネスパートナーと顧客を引き付けた。

この戦略は成功し、ショップは2018年に1億2000万ドルを販売し、今年は売上1億5000万ドルに達するペースだ。

「ポジティブ思考」

意志決定の観点からは、ポジティブ思考は悪い状況を延期するための、狡い精神策略でもある。

チェックをかけずに野放しにするということは、雪だるま式に助言や是正の芽を潰しているということだ。

一方で、「ネガティブ思考」によって生き残りが保証される。

デボラ・スウィーニー氏(総合ビジネス支援企業MyCorporationのCEO)は、南カリフォルニアの中小企業オーナーであるということは、地震と火事のような自然災害に対し、いつも最悪の事態に備えることだと述べた。

災害に対する備えが成功した1つの最近事例は、本社のあるカリファオルニア州カラバサスを襲ったウールジー山火事(2018年11月)です。

「終わりよければすべてよし」

「終わりよければすべてよし」は、「結果は手段を正当化する」という不吉な類義語と対をなしている。

「終わりよければすべてよし」はマネージャーの業績を評価するために、問題の多い概念だ。

デイビッド・レオンハルト氏が、カナダ議会の議員に立候補した彼の友人のためにキャンペーン・マネジャーとして働いた1997年当時、彼らが選挙に負けたことは、どのような伝統的な評価測定方法によっても失敗とみなされた。

しかし、この判断は、結論を急ぎすぎている。

第一に全国的な減少傾向にかかわらず、党のローカル得票率は前の選挙より増大した。

リーダーシップの観点からは、より顕著な成果があった。

ボランティアたちが、我々のキャンペーンに取り組むために、他の選挙区のキャンペーンを捨て始めたのだ。選挙が進むにしたがって、その動きを加速した。

デイビッド・レオンハルト氏は、党派政治を引退し、現在THGM Writers(代筆・代作サービス)の社長だ。

ビジネス・アドバイスの飽和した市場で この記事で述べたすべてのポイント「あなたの従業員に供しなさい」「正直さが最重要」、「何も期待せず、最悪の事態を恐れなさい」、「結果がすべてではない」たぶん、これらは同じように簡単に論破されうる。

あるリーダーシップ・アドバイスが間違っているとかそういうことではなくて、世の中はやっかいなものに満ちていて、どんな教えであろうと判断基準とみなしてはいけないということ。

読者は深い限界の境地に飛び込み、リーダーシップの役割を引き受けることによって、これらの教えを確かめることができる。

一度そのような境地に飛び込んで、試験の済んだ本当のアプローチを学んだならば、常に新しいアイデアを考え、調整するよう準備なさい。

経験が必須であるかもしれないけれども、知恵のある成犬ならば快く新しい計略を学ぶにちがいない。

(www.businessnewsdaily.com) https://www.businessnewsdaily.com/15189-leadership-mantras-debunked.html

当記事は、リーダーシップの教え(Leadership advice)として「人を、あなたが扱われたい態度でもって扱いなさい」「できるようになるまで、できるふりをしろ」「ポジティブ思考」「終わりよければすべてよし」など半ば常識となった概念の隙を指摘したものだ。

「終わりよければすべてよし」“All’s well that ends well”はウィリアム・シェイクスピアの戯曲だということはわかったものの、他の概念は語源がはっきりしない。

「できるようになるまで、できるふりをしろ」は“Fake it till you make it”を訳したものだが、「成功するまで、成功しているふりをしろ」とか「うまくいくまで、うまくいったふりをしろ」とも訳せる。いかにもアメリカにルーツがありそうな教えだ。

「ポジティブ思考」“Think positive”は、プラス思考やら積極的思考とほとんど変わらないし、どこの国でも昔からある概念だろう。    

昨晩(7月6日)、BS朝日の「ノゾキミ企業参観 ・子どもの職場が見たい」という番組で、餃子の王将の若手店長(31歳)が紹介された。

学生時代の王将バイト当時から、王将国内トップスリーの店格をもつ水道橋店長を夢見て働き続け、それを若くして実現した男性が主役だった。

水道橋店は東京ドームが近いこともあり、開催されるイベント(野球、プロレス、コンサート等)によって客層ががらりと変わり、オフィスワーカー、団体、ひいき客、一見さんが訪れる。

ビジネス街のため、できるだけ早く料理を提供することを第一に心がけているという。東京ドーム、後楽園ホール等の巨大集客施設に隣接した都心型の臨場感と活気溢れる店舗だ。

男性は店長になるまでは、持ち場を完璧にこなすことを信条に、職場でめきめき頭角を現わしていく。

店長となってからは、周囲が見えるようになり従業員を指導し、励まし、店全体の雰囲気を明るく活性化していく役割を身に着けた。

店舗ごとにユニークなメニューを開発し提供する権限を持つ独立採算型店で、独自メニュー締め切り土壇場まで、店長がお客様や従業員の意見を汲み上げて「生卵で味をまろやかにした豚キムチ炒め」のメニュー化にこぎつけた。

番組では、無事に店長が務まっているのか心配だった母親が、息子の活躍を垣間見てほっとして目頭を熱くした。

一従業員だった頃は、持ち場を完璧にこなすことだけに注力していた店長が、リーダーの役割を担ったことで一皮も二皮もむけていった事例だ。

本記事にからめて、進化論のチャールズ・ロバート・ダーウィンの名言

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」

これは企業経営にも見事にあてはまりますね。商品・コア技術・製法、伝統、格式、暖簾、シェア、売上、営業・広告等なにかにこだわり続けるのも企業の戦略。頑固さやストイックさもいい。

だけど、やっぱり強いだけでは生き残れない。柔軟な組織だけが変化に対応し業績を上げ生き残っていく。

経営資源で大手企業にかなわない中小企業にも、大きなチャンスと可能性を感じさせてくれる名言だ。

2 thoughts on “リーダーシップ(その教えは誤り)

  1. 餃子の王将の若き店長の軌跡を、
    偉人ダーウィンの名言へと繋げてゆくながれ、構成、展開、
    見事でした。
    ここでそのダーウィンの言葉を反芻するべくコピペさせていただこうと思いましたが、それがなぜか不可能でした、
    だからひとこと。

    変化し得るもののみが生き残り得る!

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