中東の原発がターゲットになる日

政治に関するニュース速報と分析サイトのWashington Examinerで、10月22日、民主主義防衛財団の最高経営責任者マーク・デュボビッツ氏と核不拡散政策教育センター ( NPEC )の執行役員ヘンリー・ソコルスキー氏によって原発が、究極の中東ミサイルターゲットになりうることを報告しました。

先月のサウジアラビアの石油施設に対する正確なミサイル攻撃の標的が原子炉だったとしたらどうなっていたでしょうか。

中東のチェルノブイリを掘り起こしてしまったかもしれません。教訓は明確です。この地域により大きな原子炉を建設しないことです。原子炉は放射性のカモ(ターゲット)です。

サウジアラビアには、一連の大型原子力発電所を建設する計画があります。隣のアラブ首長国連邦は、バラカで4基の商業用原子炉を完成させるために、200億ドルを費やしています。

エジプトとトルコは、ロシアが設計した2つの巨大な原子力発電所の建設を開始しました。イランには2基の原子炉が稼働しており、さらに2基の原子炉建設を開始しています。

しかしながら、9月14日のイランのサウジアラビアに対するミサイル攻撃の後、これらの原子炉はすべて破壊される危険があることがわかりました。

精密誘導ミサイルがその理由です。イランがサウジアラビアを攻撃した直後に、発射したミサイルは、アブカイクの各石油タンクの同じ場所に攻撃されたことが写真で明らかになりました。ミサイルの推定精度は1メートルでした。

そのため、大型の原子炉であれば簡単に標的にすることができます。原子炉の炉心を覆う最も保護された大型コンクリート格納容器を狙うのではなく、正確なミサイルが主要な原子炉補助施設に着弾すればよいことになります。

主要ターゲットは、発電所の非常用ディーゼル発電機建屋です。発電機を破壊すると、停電、暴風雨または攻撃によって外部グリッドから供給された電気が遮断された時に、冷却剤ポンプシステムの動作を維持するために必要な非常用バックアップ電源が機能しません。

工場内の主な電気送電線と非常用ディーゼル・バックアップ発電機の両方を叩くと、工場のクーラント・ポンプとすべての電力の安全システムを奪います。

原子炉の使用済み燃料貯蔵プールで炉心のメルトダウンと燃料火災が発生します(福一原発事故と同じ)。もう一つの狙いは、原子炉の格納容器の外にあることが多い原子炉制御室です。これをノックアウトすると、工場の制御系統を切断することになり、再び原子炉がメルトダウンを開始します。

最後に、原子炉の使用済燃料貯蔵プールがあります。クーラントが排出されてしまうと、そこにあった使用済み核燃料が発火し、放射能が大量に放出される危険があります。

放出の規模をどれくらいと想像しますか。

米原子力規制委員会によれば、典型的な発電所の使用済み核燃料火災は、福島原発事故の100倍もの放射能を放出すると予測しました。そのため原子力規制委員会は、福島原発事故の700倍以上の避難場所を見込んでいます。 (中略)

さらに明白なのは、中東諸国のすべての大型原子炉が、近隣諸国から核爆弾のスターター・キットと見なされ、軍事的な標的にされていることです。 (washingtonexaminer.com) https://www.washingtonexaminer.com/opinion/the-ultimate-middle-east-missile-target-nuclear-reactors

9月14日のイエメンの反政府武装組織のフーシ派(米国とサウジアラビアは、イランの関与による犯行との見方)によるサウジアラビアの石油施設への攻撃は、原発を標的とした攻撃へとステップ・アップする可能性があるという記事です。

サウジアラビア防衛省スポークスマンのトゥルキ・マリキ大佐はリヤドでの記者会見で、巡航ミサイル7発と自爆ドローン(遠隔操作無人機)18機の編隊による攻撃だったと公表(9月18日)しています。しかも、ミサイルの推定誤差1メートルという信じがたい精度です。

ドローンとはよく見る4枚翼のヘリコプターのようなおもちゃではなく、全長1メートルより少し長い短い翼をもったロケットで、巡航ミサイルはそれより3倍くらい大きなものでした。

そんな小型機の編隊攻撃でありながら、サウジ・アラムコは日量570万バレルの生産停止に追い込まれました。攻撃を受けた石油施設は、サウジ・アラビアの主要施設であり石油生産能力日量は最大840万バレルですから、その被害の大きさは計り知れません。

この編隊すべてが攻撃されるまで未発見であったことから、サウジアラビアのリヤド防空基地には、米国のミサイル迎撃パトリオット・ミサイル、ドイツのスカイガード(弾幕を張って撃墜)、フランスのシャハイン・システムが装備されていたにもかかわらず、システムは機能しませんでした。

ミサイルとドローンを組み合わせた低空攻撃に対しては為す術がなかったといえます。 リヤド防空基地は、国内の原子炉に対し、おとりを組み合わせた複数の編隊による低空攻撃を受けた場合、レーダーや赤外線によって飛翔体を特定し、迎撃ミサイルや弾幕を張って撃ち落とすことが難しいのです。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、将来の攻撃に対処するため、数十億ドルのイスラエル防空開発計画の実施を呼び掛けましたが、防衛の確保は困難であろうと記しています。

原発の存在と人類滅亡

2011年3月11日の福一原発事故は、14~15メートルの津波が1~4号機の原子炉建屋等の主要エリア全域を襲いました。

建屋の地上高さ5メートル近くまで浸水し、地下に設置されていた非常用ディーゼル発電機が機能停止し、多数の周辺電装設備が損傷したため、全電源喪失(ステーション・ブラックアウト)となりました。

ポンプが稼働しないため、原子炉内部や核燃料プールの冷却ができなくなり、核燃料が自らの過熱により圧力容器外に溶け出すというメルトダウンとなりました。

世界は気候変動による自然の猛威だけでなく、人類が世界中に張り巡らした「原子力発電所」、「核兵器や高性能ハイテク兵器」と人類が繰り返す最大の過ち「戦争」がマイナスの相乗効果を発揮することによって、絶滅の危機に瀕するような大惨事が近い将来、起きる可能性があると言っても過言ではないでしょう。

2 thoughts on “中東の原発がターゲットになる日

  1. 人類の滅亡 というのは、ホント、意外と近いところにあるのかもしれませんね。
    それも、われわれの与り知らぬ覇権争いやら何やらの事情のなか、ほんの一握りの狂った阿呆どもによってもたらされてしまうのか。
    自然の美は葬られ、動物たち植物たちみな殺されるのです。

  2. 「ほんの一握りの狂った阿呆ども」まさにその通りです。世の中、全体主義、お国のためという風潮が強くなってきました。サミュエル・ジョンソンの「愛国心はならず者の最後の拠り所」とはよく言ったものです。

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