憎まれる勇気を政治家はもってはいけない

左 Alfred Adler(精神科医・心理学者) /  右 Leonhard Seif(精神内科医)

韓国の国民日報ウェブサイトで、4月12日、韓国でベストセラー最長記録を打ち立てた日本の哲学者 岸見一郎氏へのグォン・ヒェスク記者による示唆に富むインタビュー内容が紹介された。

 憎まれる勇気を政治家は捨てよ

 「嫌われる勇気」の著者、岸見一郎氏に最近電話でインタビューした。幸せになるためには他人の視線を気にしないで憎まれる勇気を持つことを奨励した彼の著書は、2014年に国内で出版され、これまでに160万部が売れた。

オーストリアの精神科医・心理学者アルフレッド・アドラーの心理学を基にした本は、教保文庫(韓国の大規模書籍小売店)のベストセラー51週連続1位という歴代最長記録を立て、アラジン(韓国の全国展開中古書籍店)では20年間最も多く売れた本2位になるほど、大変な人気を博した。

2016年から韓国語の勉強を始めたという岸見一郎氏は今年2月、韓国読者のために新刊「悪い記憶を消して差し上げます」を出版するほど、韓国への愛情は格別だ。新しい本は19編の韓国映画の主人公たちが、彼に人生の悩みを打ち明けながら相談に乗る形式だ。「リトル・フォレスト」のヘウォン(キム・テリ)氏が幸せと成功について、「マザー」のキム・ヘジャ氏が家族の意味を問う。

韓国語の先生で東京藝術大学大学院で映画を専攻したイ・ファンミ氏が一緒に企画した書籍で、インタビューの通訳をイ・ファンミ氏が担当した。

勇気は人生における問題解決のカギ

コロナ19の中、どうお過ごしですか?

韓国にはコロナ19のため、憂うつ感を訴える人々が多いです。 私はもともと家で文章を書き、孫の面倒を見るのが重要な日課でしたが、外部講演が中止になり、自宅で滞在する時間がさらに増えました。

人はできないことをしようとしたり、気を使う時に憂鬱になるのです。「できること」と「できないこと」を区分しなければなりません。危機的状況であればあるほど、今日一日を無事に過ごしたことに感謝し、喜びを感じています。

今日一日は今日のために使う。明日のことが予想できないからといって、今日を不安の中で過ごさないでほしいのです。

岸見先生の本を見ると嫌われる勇気の他にも「我慢する勇気」、「幸せになる勇気」、「老いていく勇気」、「私らしく生きる勇気」、「私を愛する勇気」などがあります。どうしてこんなにたくさんの勇気が必要なんですか?

「人生を生き抜く上で生じる様々な課題」に向き合う勇気が必要なので強調し続けます。 人生のほとんどの問題は、他人との関係から始まったというのが、アドラーの分析です。幸福感もほとんど人間関係で感じられます。他人から傷つくことを恐れ、人間関係の中に入ろうとする勇気がないため、問題が生じるのです。

すべての問題を勇気で解決できるわけではありませんが、「人生に対する態度」としての勇気は、問題解決のカギになりえます。

コロナ19克服にはどんな勇気が必要でしょうか?

過度に深刻にならない勇気と言いましょうか。真剣だけれども深刻にはならないということです。アルフレッド・アドラーは第1次世界大戦の時、軍医として参戦し、戦争の惨状を目撃しました。 その経験を通じて、アルフレッド・アドラーが下した結論は共同体感覚理論です。

自分が一人ではなく他の人とつながっているという感覚、他者が敵ではなく友達であり同僚だということです。 パンデミックの語源がギリシャ語のパンデモス(pandemos)で、「すべての人々」という意味です。コロナ19に一国家、一個人として戦うのではなく、国際人として向き合って戦うべきだという意味に解釈できると思います。

これまでは互いに競争しながら生きてきましたが、コロナ事態は全ての人類が国境を越えて一緒に克服しなければならない危機なのです。(中略)

両親の看病そして育児11年、私にとっては成功より家族

岸見一郎氏は成功とは無関係に見える人生を歩んできた。京都大学で博士課程を終えたが、学位はもらえなかった。

25歳の時、母親が脳梗塞で倒れ、看病のため学業を1年中断し、結婚後は7年間、兄妹の育児を受け持った。正規職になったことがないまま講義とカウンセリングをしながら文章を書いた末、ドイツ、オーストラリア、フランスなど30カ国に本が出版されたベストセラー著者になった。人生は一つの線ではなく「無数の今」の連続であり、今日一日を踊るように楽しく生きていけば、いつか望む人生が送れると言ったアルフレッド・アドラーの言葉を自分の人生で示したのだ。

家族のためにキャリアを犠牲にした側面がありますが、残念に思いませんでしたか?

若い頃は教授になりたかったし、名誉を夢見たので、最初は残念でなりませんでした。哲学者三木清(1945年、治安維持法違反で逮捕され獄死)は成功と幸福、失敗と不幸を同一視するようになって以来、人間は真の幸福が何なのか理解できなくなったと述べています。私は成功を追求したわけではありません。他の父親は子供が一番美しい時に、ほとんど会社にいたわけですが、私はその時間を子供たちと過ごせました。両親の最後を共にできことにも感謝し、幸せだと思っています。

哲学で人と世界を変える変革を夢見て それでは、何を目標にしますか?

スティーブ・ジョブズ氏がマッキントッシュを披露したのは1984年でしたか? 哲学者はアナログ的だと思いますが、私はアップルの創始期からパソコンで文章を書きました。「コンピューターはすべての人のもの」というジョブズ氏の言葉に共感しました。私も全ての人のために哲学者になろうとしました。ロッキングチェアに座って難しい用語を使う哲学者になりたくありませんでした。苦労して悩む人々と考え、思想で世界を変えたいのです。

スティーブ・ジョブズ氏のような変革家を夢見るということですか?

そうです。アドラー理論を理解すれば、人々が変わり、人々の実践を通じて社会が変わることができます。 私はアルフレッド・アドラー心理学の研究者ではなく実践家でありたいと思っています。

韓国は国会議員選挙を控えています

有権者にそっぽを向かれる出馬者が多いのに、政治家とは勇気が過剰な人のようです。政治家は憎まれる勇気を持ってはいけません。自分と違う意見を聞かなければならず、国民の期待を満足させなければならない人だからです。

コロナ19事態では状況を正確に説明し、何らかの措置が必要であることをきちんと述べなければなりません。安倍首相はそれができていない。きちんとした記者会見も行っていません。うまくやっていることを見せようとするのは、うぬぼれを演出することで、その中には劣等感があるでしょう。

憎まれる勇気が必要なのは国民です。政治家が言ったことに異議を唱え、批判しなければならないからです。日本社会は官僚が政治家の顔色を伺っています。官僚が憎まれる勇気を持って意見を主張しなければならないのですが、残念なことです。

それでは、どんな人物を選べばいいでしょうか?

「憎まれる勇気」は「嫌われように行動しても良い」という意味がありません。そのように誤解する人々は人生の目標を成功に置いている人々です。おそらく何人かの候補は他人より優れた人になりたくて、それで認められたいという屈折した人情欲求に包まれた人でしょう。何のために政治をしたいのかわからない人を選り分け排除すれば、答えが出るのではないでしょうか。

(news.kmib.co.kr)

http://news.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0014468455&code=61171811&sid1=lif

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