時代は副業歓迎

Forbesサイトで、7月16日、人事コンサルタント兼リーダーシップ・コーチのハイジ・リン・クルター氏が、副業の奨励が企業業績向上の鍵になることを記事にした。

(記事の要約) ベントリー大学の研究によれば、ミレニアル世代の66%は自らビジネスを始めたいと思っている。

副業で養われる従業員の経験は、福利厚生やインセンティブを凌ぐ大切なものだ。

従業員の起業動機を理解し、目標達成を支援し、従業員を労働者としてではなく一人間とみなすことは、部下との関係をより強くする。

1 より強い従業員の忠誠心

評価されたいのは人間性です。 アメリカ心理学会が調査を行ったところ、「評価されていると感じる従業員は、より仕事に専念し、満足し動機づけられていること」がわかった。

従業員を「評価されている」と感じさせることは、仕事に対して賛辞を贈ることより効果がある。 従業員は個人レベルで、マネージャーとつながっていたいのだ。

ボスと関係が強ければ強いほど、彼らの会社に対する忠誠心も強くなる。 ExecuSearch(金融業界人材紹介企業)の調査によると従業員の54%が「従業員は、管理者のサポートが企業文化で最重要の側面であり、仕事にとどまる主な理由をボスに対する忠義である」と述べた。

職場における好ましい関係を深めることが、忠誠への重要な構成要素だ。 従業員の個性を認めて、彼らの開発に投資し関心のあるリーダーは、ゆるぎない忠誠をかき立てる。

2 革新的かつ形にとらわれない考え

職場文化の進化は「安定企業型」から、「起業家的なアプローチを受け入れる起業家精神型」にシフトした。分裂し、崩壊する世界にあって、新世代は職場の中で革新的で破壊的な変化の最前線にいる。

企業が偉大な創造者を欲っするならば、革新的かつ形にとらわれない考え方を吹き込まなければならない。

3 知識の異花受粉(交雑受精)

会社として潜在的成長を開花させるためには、知識を個人間で意図的に広められなければならない。

起業家的な雇い主は、異花受粉(交雑受精)の影響によって、企業に豊かな知識と経験をもたらす。異花受粉は、会社にいろいろな利益をもたらす。

15年在任人事部長のスーザン・パワー氏は、起業家に転身し、Power HR Inc.というコンサルティング企業を設立した。人事の専門家として、自らも「起業家として旅立つこと」から逃げられないことを示している。

新事業の設立は、多くの人々が「利害の対立」として見るかもしれないけれども、スーザン・パワー氏はものすごい利益をもたらすと言う。 独自のビジネスを打ち立てようと学んでいる従業員の技術が、彼らのルーチン・ジョブに対するアプローチを改善するのに役立つ。

起業家的な努力を続行している従業員に、ビジネスの他部門がどのように動くかという内部の見方をあたえ、部門横断的なトレーニングとして機能する。

4 有能なリーダーによる拡大したネットワーク

企業家的従業員はネットワークの価値を理解し、働く企業のために優秀なリーダーに変わりうる拡大ネットワークをもたらす。

「Shameless」「Chicago Fire」「Rampage」等のショー・ビジネスで働く傍ら、Go Luckyスタジオ(映像・マーケティング企業)のオーナーとなったメアリー・ムネス氏は、自らのビジネス開発に努力する多くの人々を、メンター(仕事上の指導者)として支えてきた。

彼女は「勤勉な従業員はとても貴重だ。彼らに正しい支援で報いることはとても重要」と言う。

彼女がチーム提唱者として、メンティー(被育成者)から獲得した利益は計り知れない。メンティーは新しいサービス・プロバイダに変わり、紹介をもたらし、知人を介してネットワークを拡大してくれる。

副業を始める従業員に頑ななまでに否定的な雇い主は、彼らを歓迎する企業に最高の才能を奪われてしまう危険に晒されている。

(forbes.com)

https://www.forbes.com/sites/heidilynnekurter/2019/07/16/the-key-to-employee-happiness-is-supporting-their-side-business/3/#7809c8c72ff7

当記事における「副業」は、起業家精神を発揮して新たな事業展開を目指す積極的副業であり、わが国において少なからず存在する家計を補うための、時間切り売り的な消極的副業ではありません。

これからの企業は「安定企業型」から、「起業家的なアプローチを受け入れる起業家精神型」という示唆に富んだ内容は新鮮でした。

副業・兼業の促進に関するガイドライン

わが国では近年、大手企業が就業規則を変更し副業を認めたり、厚生労働省のモデル就業規則から副業禁止規程が削除されたり、時代は副業容認姿勢に変わってきましたが、まだまだ副業推奨、副業歓迎とまではいっていません。

「長時間労働の是正」、「多様で柔軟な働き方の実現」を目指す働き方改革の一環として、2018年1月、厚生労働省より「副業・兼業の促進に関するガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdfが公表されました。

そこでは、副業・兼業先の両方で雇用されている場合について、使用者が労働者の他社での労働時間も適正に把握する責任があることを規定しました。

たとえば、甲事業場で午前9時から午後6時まで8時間働いたAさんが、午後7時から午後12時まで乙事業場で副業を行った場合、乙事業場の5時間は法定時間外労働となり割増賃金(午後7時から午後10時までの3時間は時間外労働で割増率2割5分、午後10時から午後12時までの2時間は、時間外労働+深夜労働で割増率5割)の対象になるということです。

乙事業場は、Aさんの副業について割増賃金の支払い義務があり、「知らなかった」では済まされないのです。

乙事業場が36協定を締結していなければ刑事上の罰則(労働基準法119条6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)、割増賃金の未払いがあれば刑事上の罰則(労働基準法119条6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)が課されます。

*「副業・兼業の促進に関するガイドラインの補足資料Q&A」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000193040.pdf

副業もばれる時代

勤務先には毎年5月中旬に市町村から「給与所得等に係る市県民税 特別徴収税額の決定通知書」というのが送られてきます。

その通知書に基づいて、毎年6月から翌年5月までの住民税を給与から天引きするわけですが、この税額が賃金台帳から試算した住民税額より妙に多い方は副業していることがばれてしまいます。

副業をしている場合は、その副業勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出しないようにお願いし、源泉徴収税額の控除方法も他の従業員と異なる処理(税額表乙欄による)となるため、副業勤務先は面倒くさがるかもしれません。

そのような特殊な取り計らいを依頼しますと、副業勤務先では給与から高い税額の源泉徴収をされて、年末調整もしてくれません。

年末以降に出そろった前年度の本業と副業勤務先の源泉徴収票を合算し、3月15日までに自ら確定申告をしなければなりません。

マイナンバー制度によって、税務署による収入の捕捉はほぼ完璧となっています。 次のステップとして考えられるのは、経費1円単位の捕捉です。

近未来に、ビッグデータ(Suica、PASMO、Tカード、プリペイドカード等)とマイナンバーが紐付き、経費やポイントの利用も1円単位の報告が必要になるかもしれません。

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