2020年の北朝鮮を憂慮

中央日報のJOINS.comサイトに、12月18日、ソウル大学経済学部のキム・ビョンヨン教授が、2020年の北朝鮮を憂慮する報道を記しました。

金正恩(キム・ジョンウン)氏の2020年

2019年終わりの雰囲気は、昨年とは対照的である。北朝鮮の完全な非核化が北朝・米首脳の夕食会の定番メニューであるかのように浮かれていた状態は終わった。

来年は北朝・米間の軍事衝突が懸念されていた2017年後半よりも危険かもしれない恐れがはるかに大きくなった。北朝鮮も2020年を恐怖の年にするかのように言動が険しい。 (中略)

制裁以降、北朝鮮の貿易赤字の主な原因は消費財と中間財の輸入である。経済制裁により北朝鮮からの輸出は90%以上減少したが、総収入額の半分以上を占める中間財(生産の過程で原材料や加工部品などに投入された財貨)と3分の1を占める消費財の輸入額は制裁前と大きな差がない。

もし外貨の枯渇を防ぐために消費財の輸入を減らした場合、市場と貿易が萎縮し、住民の生活苦が加重される。その結果、ただでさえ市場化によって個人主義になってきた民心が離れる可能性がある。輸入品を市場に売って外貨(米ドル)を稼ぐ国家機関も崩壊する。中間材輸入を減らせば北朝鮮の国内産業が崩壊しかねない。

「個人が集団よりも重要だ」ソウル大学統一平和研究院が、1年足らずの脱北者を対象に今年行ったアンケート調査の結果だ。北朝鮮にいたときから既にそう信じていた人が総回答者の82%に達した。

「資本主義が社会主義よりもましだ」という項目にも72%が同意した。個人とお金に目覚めた北朝鮮住民は、市場と雇用が崩壊すれば、2009年の貨幣改革の時のように、その責任を金正恩氏と金英哲(キム・ヨンチョル)氏など権力者に振り向けることになるだろう。

北朝鮮政権は政治的に、敏感な市場や産業への悪影響を防ぐために外貨準備高の急減策を選んだはずだ。金正恩氏が核交渉期限を今年の年末に定めたときにも、このような状況を考慮していた。また、年末までに数万人の海外派遣労働者が帰国するという事実も念頭に置いたであろう。

これら海外派遣労働の中断は外貨収入を急激に減らす。それだけでなく、外国で経験し、学んだ市場経済と5百万台以上の携帯電話を介して暗黙のうちに危機説が流布されると、権力者を批判する世論が強くなりえる。

金正恩氏には時間がない。通貨危機は静かに進行し、突然爆発する。いつか必ず爆発する時限爆弾のようなものだ。

金正恩氏は鳥かごの中の鳥のようだ。さえずることはできるが、自由に飛び回ることはできない。言葉とは裏腹に、彼が行動できる空間は厳しい制約を受けている。中国やロシアと外交がいくら上手でも、鳥かごのサイズを少し拡げる程度だ。

もちろん、合理的な推論から脱して、鳥かごの枠を壊そうとする鳥が、自害的なやけっぱち行動に出る可能性も排除できない。そうなったら朝鮮半島を取り巻く不確実性は非常に高まるだろう。

(news.joins.com)

https://news.joins.com/article/23659592

今年10月16日に、金正恩氏が白馬に乗ってうっすらと雪が降り積もった白頭山の山中を進む様子が報道されました。

その2ヵ月後の今月4日、金正恩氏は今月下旬の中央委員会総会で「内外の重大問題を決定する」と伝え、同時に白頭山の雪が降り積もった森の中、白馬に乗った金正恩氏が李雪主(リ・ソルジュ)夫人や幹部らを率いて進行している写真が公開(北朝鮮朝鮮中央通信)されました。

中国との国境に位置する白頭山(北緯42度で函館とほぼ同じ)は朝鮮国が白頭山で発祥し、平壌に遷都した歴史から「朝鮮民族のゆりかご」と言われています。

金正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)の生誕地にもなっています。朝鮮民族から崇拝を受け続けている聖山と言えるでしょう。その聖山をここ2ヵ月の間に、白馬に跨り2度行進したわけですから並大抵の決意や覚悟ではないことがわかります。

「内外の重大問題」とは一体なんなのでしょうか。北朝鮮に詳しい韓国の専門家によれば、金正恩氏はあらためて核保有一大国家となったことを主張し、一層の自衛力強化を宣言する方向のようです。

内に軍隊の更なる強化、外に大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)では、米国に軍事介入を正当化させることになり逆効果になってしまいます。しばらく予断を許さない状況が続きそうです。

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