生物の絶滅は予想をはるかに超える速度で進んでいる

環境問題(絶滅危惧種、気候変動、汚染等)のニュースサイトであるRevelatorの編集者ジョン・R・プラット氏が、5月28日、生物の絶滅を宣言することの難しさについて記事(前編)にした。

この世界は、生物多様性の危機の最中にある。

人間による環境への影響により、1000倍速く生物種が絶滅に向かっている。

国連の生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)が昨今出した報告は、人間の諸活動により、次の数十年で百万もの生物種が、絶滅の危機に瀕すると見積もった。

それなら、どうして我々は毎日のように、絶滅した生物の名前を知らされないのであろうか。その理由は次の4点につきる。

時間を要する

多くのケースで、種を代表する最後の一匹を知ることはない。普通は人間の目の離れた野生で、一つ一つ姿を消していく。誰も死に絶えるところを目撃しない。

研究者にとって、その種が永遠に絶滅したことを示すのは容易ではない。 否定(この世にいないこと)を証明するのは、常に不可能だ。 

ストーニーブルック大学の生態学教授H.レジットアクサカヤ氏は、「ある種が絶滅したとほぼ断定するには、多くの努力を要する。我々がそれを見なかったと言うのは十分でない。捜索した結果であることが必須だ」と述べた。

絶滅危惧種法に則り時間がかかる

たとえば、イースタン・クーガー(プーマと同色の山猫)は、昨年、説滅危惧種リストから除かれようやく「絶滅」となった。

最後に目撃されてから80年経過した。絶滅を確かめるため、生物学者達は数十年を費やした。

間違いは高くつく

それは「ロミオ・エラー」と呼ばれている。それは、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の名をとって名づけられた。

恋に浮かれているロミオは、彼の最愛のジュリエットが死んでいると間違って、後追い自殺をした。

それは必ずしも、野生で起こることではないが、人間が種を絶滅していると誤って判断したら、種またはその生息地の法的保護は解除される。

つまり、種が後に再発見されたならば、保護処置は最初のステップからやり直しとなる。

ロミオ・エラーで最も有名な事件の1つはフィリピンで起きた。セブ島のヨイロハナドリ等が20世紀初期に絶滅したと宣言され、大規模な森林伐採が行われた。

ところが、残存した森の一部分で1992年にヨイロハナドリが再発見された。

今日それらの鳥は、いまだに絶滅の危機に瀕しているものの、ロミオ・エラーがなければ、それらの鳥の生息地が保護され、もっとずっと数が多かったであろう。

知らない生物を「絶滅」と公表できない

世界には、およそ170万の種が記録されている。多くの科学者は、この地球上に、およそ800万の生物多様性レベルを推定している。「存在する大部分の種を知らないので、絶滅していく大部分の種を知りえない」とH.レジットアクサカヤ氏は述べている。

種の保存成功アピール

人類が多くの絶滅について責任があるように、我々は絶滅危惧種のいくつかを、絶滅から救うのに役立つと信用される必要がある。

たとえば、カリフォルニア・コンドル、クロアシイタチ、メキシコ・オオカミ等の絶滅に瀕した動物を、近代的で絶え間なく改善する保存技術によって救ってきた。

The Revelator

https://therevelator.org/extinction-time/


全世界の既知の生物種(哺乳類・鳥類・魚類・爬虫類・両生類・昆虫類・植物・細菌等)は約170万種で、未知の生物を含めると地球上にはおよそ800万の生物が生息しているという推定には驚きました。

2割強の生物種しか特定できていないのだから、絶滅していく生物をほとんど知らずにいるということです。

人類は、ダム・工場・道路港湾・橋梁トンネル・住宅等建設、工場廃液等による水質汚染や大気汚染等の公害、人為的電磁波、森林伐採、水産資源や動植物の乱獲、農薬や殺鼠剤等散布、密漁、原発事故、原水爆実験、増え続ける産業・一般廃棄物焼却場とダイオキシン等有害物質の放散、不法投棄、タンカー等座礁、発破、魚雷、山火事、外来種持ち込みによる生態系のかく乱、人間活動にも一因のある気候変動によって、生物絶滅の速度を著しく速めている罪深き存在です。

                           (写真AC)

多くの絶滅危惧種の中から、思いついた日本固有の種を挙げてみました。

イリオモテヤマネコ(西表山猫)

絶滅危惧IA類、特別天然記念物 沖縄県西表島にしか生息していない猫、体長50~60cm

西表島には野鼠などの小動物が元々いない。天敵となる肉食哺乳類も西表島にはいない。ただし、飼い猫からのウィルス感染の恐れや、島内道路に飛び出る交通事故が心配されているという。ここでもやはり、人間活動が悩みの種である。

アマミノクロウサギ(奄美野黒兎)

絶滅危惧I類、特別天然記念物 鹿児島県奄美大島と徳之島に生息しているウサギ、体長41~51cm

原始的なウサギで生きた化石と言われている。

ウサギなのに後ろ足が短くキック力がない。前足の爪が発達しているので、巣穴を掘るのはうまい。マングースや「飼い猫から野生化した猫」が天敵で、森林の減少による居住区の狭隘化、交通事故が心配されているという。

川上犬(かわかみいぬ)

長野県の天然記念物 川上村に数十匹、全国に約300匹しかいない希少な犬で長野県南佐久郡川上村産

地元で保護育成されている柴犬の一種で、長野県須坂動物園に飼育展示されている。寒冷地で猟犬として育った川上犬は、中の毛が軟らかく外の毛が硬いことで寒さから身を守っている。

オオサンショウウオ(大山椒魚)

絶滅危惧II類、特別天然記念物 岐阜県以西の本州、四国、九州の河川の上中流域に生息(チュウゴクオオサンショウウオは北上)する固有種で世界最大の両生類、体調50~150cm

単独で暮らし、岩陰や川岸の横穴や障害物の周辺にいて、夜間に巣を出て小魚、エビカニ、カエル、昆虫等を捕食する。

カエルやイモリと異なり、ほとんどを水中で過ごす。

雄は流れが緩やかで湧き水が出てくるような産卵に適した穴を見つけ、常に巣を掃除しながら雌を待つ。雌をめぐる雄同士の闘争は激しい。

チュウゴクオオサンショウウオ(絶滅寸前種)との交雑が進み、純粋な日本種の保存が望まれている。

2 thoughts on “生物の絶滅は予想をはるかに超える速度で進んでいる

  1. 1000倍 とは惨いですね。人間とはホント、「罪深き存在」です。
    ロミオ・エラー かあ…… 勉強になりました。
    川上犬 というのがいるのですね、絶やしてはいけない!

  2. 川上犬が動物園に展示されているところが、先日テレビで放映されました。犬が檻に入っていたので、なにか他の動物の誘導係なのかなと思ってしまいました。
    外見は柴犬とかわりませんが、毛は外側が硬く(剛毛とまではいかない)、中が軟らかいという特徴があるそうです。

ぽつり に返信する 返信をキャンセル

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *

CAPTCHA