福島避難地域に野生動物が繁殖

ジョージア大学のウェブニュースで、1月7日、ヴィッキー・L・サットン・ジャクソン氏が、福一原発周辺で野生動物が繁殖している研究結果を報告しました。

福島の原発事故からほぼ10年後、ジョージア大学の研究者は、人間のいない地域に野生生物が繁殖していることを発見した。

サバンナ・リバー・エコロジー研究所およびワネル森林自然学校のビースリー准教授は「我々の研究結果は放射能汚染があるにもかかわらず、福島避難区域全体で幅広い多くの野生動物が現在生息していることを示す初めての証拠だ」と述べた。

ビースリー氏によると、人間との衝突が多い種、特にイノシシが、避難地域・区域のカメラに捕らえられたという。これらの種が人々の避難によって、勢いよく増加しているのだ。 (中略)

120日間で、カメラは4万6千枚以上のイノシシ映像を撮影した。内訳は2万6000枚以上が非居住地域で撮影され、制限区域では約1万3000枚、居住区域では7000枚であった。無人地帯や制限区域で多く見られる種としては、アライグマ、テン、ニホンザルなどが挙げられる。

野生動物の生理学的状態についての質問を予想し、福島大学環境放射能研究所のトーマス·ヒントン教授は、調査結果は動物の健康状態の評価ではないとした上で、「これまでの研究は、個々の動物に対する影響が調査されてきたが、この研究は野生動物の集団に対する放射線学的影響を調査するための重要な貢献をしている」と述べた。

無人地帯は研究の管理区域として機能した。科学者たちは、「避難地域においてこれまで野生動物の個体群に関するデータがなかった。人間の居住区に近い地域や類似の環境は、この地域を研究にとって理想的な管理区域にした」と語った。

研究チームは他の変数の影響を評価した。道路までの距離、カメラで捉えられた活動時間、植生タイプ、標高など。「管理区域の地形は山地から沿岸の生息地までさまざまあり、これらの生息地はさまざまな種類の動物をサポートしている。これらの要因を説明するために、解析に標高などの生息地や環境属性を採り入れた」とビーズリー氏は述べた。

これらの分析に基づくと、私たちの研究結果は、人間の活動レベル・標高・生息地のタイプが、野生動物の種の豊富さに影響を与える主要因であることを示した。放射線量は主要因ではなかったのだ。

この研究の結果は、ほとんどの種の活動パターンについて、その周知の歴史や行動パターンと一致していることを示している。夜行性のアライグマは夜間に活発で、昼行性のキジは昼間の方が活発だった。しかしながら、非居住地域のイノシシは、人が住んでいる地域のイノシシより日中活発であった。

例外の一つはヤギのような哺乳類、ニホンカモシカだった。通常、人間から遠く離れた場所に住むが、今回の研究では「人間が住んでいる高地」において最も多く見られた。研究者たちは、「これは避難区域内で急速に繁殖したイノシシ集団を避けるための行動調整かもしれない」と述べた。

福島の野生動物園ではアカギツネ、ハクビシン、イタチ、シカ、ツキノワグマなど自由に歩き回っている。

(news.uga.edu)

https://news.uga.edu/animal-life-thriving-around-fukushima/

福一原発事故後に避難地域や居住制限区域となった土地に野生動物が豊かに繁殖しているようです。

当記事によれば、野生動物の種の豊富さや繁殖に影響を与える主な要因は、人間の活動レベル・標高・生息地であり、放射線量は繁殖に影響を及ぼさないということです。うがった見方をすれば「人間活動」がないところ、野生動物が大いに繁殖するということです。

近年、福島に限らず野生イノシシが人里に出現し、農作物を荒らしたり、人に危害を加えることも度々報告されています。 一昨年7月には、「被災地でイノブタ大繁殖」というデマが流布されたこともありました。避難指示区域で野生化した家畜ブタと野生イノシシが交配し、イノブタが大繁殖しているとのニュースでしたが、福島大学共生システム理工学類の兼子伸吾准教授率いる研究グループが、交配は一部に認められるものの、割合はごく少数と発表しました。

(THE SANKEI NEWS)https://www.sankei.com/premium/news/180725/prm1807250003-n1.html

本研究で撮影された野生動物達を見てみましょう。

アカギツネ

比較的寒い地域(世界中に生息)の草原~森林に棲む肉食動物。体長45~85㎝、ふさふさとした長い尻尾が特徴で、跳躍の際にバランスをとる役目をする。

ハクビシン

中国、東南アジア、日本などの低山に生息する雑食動物。体長50~75㎝、外敵に襲われると肛門腺から臭いのある液を分泌して威嚇する。

ツキノワグマ

アジア、東南アジア、日本(九州以外の全域に生息)などの森林に棲む雑食動物。体長120~180㎝、前肢が後肢よりも長く力強いため、木登りが得意、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種(VU)レッドリストに指定されている。

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