韓国、やはり素材国産化に高い壁

LG Display LCD LED LP125WH2 – SW0632

韓国聯合ニュースのMSNウェブサイトで、リー・へヨン記者が、11月8日、日本経済新聞の記事「韓国、素材国産化に高い壁」を紹介し、政府あげての先端部品素材の国産化支援について記しました。主な内容は次のとおりです。

日本の新聞が「韓国、半導体素材の脱日本は容易ではない」と主張

日本経済新聞は11月8日、韓国政府が先端部品素材の国産化を推進しているが、日本のハードルは依然として高いと指摘した。韓国メディアが先月15日LGディスプレーにおいてフッ化水素の国産化100%完了と報道し、日本依存脱却を歓迎する論調に対し、実状はちょっと違うと記した。

日本経済新聞は、「LGディスプレーが製造工程で使用したのは、輸出規制の対象ではない低純度フッ化水素を加工したエッチングガスだ。これまで日本から完成品を輸入してきたが、物流効率化のために原料である低純度フッ化水素を日本から輸入し、韓国でエッチングガスに加工するための準備は、今回の輸出規制以前から進めてきた。

加工を韓国で行うものに変えたという意味では国産化だが、原材料は日本製だ」と報道した。 韓国政府は今年8月、日本に依存する10品目を戦略品目に指定、5年以内に日本依存脱却を目標とする素材・部品・装備の競争力強化対策を発表した。毎年1兆ウォン(約940億円)の予算を投入、規制3品目を含めた20品目は1年以内に日本以外の国に調達先を変えるという計画だ。

同新聞はこの政策は過去の政策の焼き直しにすぎない。韓国政府が 2001年に部品·素材発展基本計画を初めて発表して以来 2016年まで4回にわたって同じような計画を発表したし、今回の計画も予算規模と対象品目は違うが、基本は今までの延長線上にあると報道した。

そして韓国の部品・素材の対日貿易赤字は昨年151億ドル(約1兆6485億円)を記録した。赤字のピークに達した2010年の242億ドル(約2兆6,419億円)に比べれば減少傾向を見せている。しかしながら、技術的に難易度の高い製品を中心とした日本依存の構造には変化がないと伝えた。

有力電機電子メーカーのある幹部は、国産化が実現しない理由として「日本は品質、価格、納期など全てを満たしているからだ」と同新聞は報じた。

「韓国企業でも作ろうと思えば何とか作ることはできるが、歩留まりが悪かったり、相対的にコスト高なので採用が難しい。価格や納期も品質のうちだ」と強調した。

サムスン電子の前副会長兼CEOのユン・ジョンヨン氏は、「研究開発と製品化の間には死の谷と呼ばれる高いハードルがある。それを乗り越えるのは難しい」と述べ、「生産技術のプロセスで、日本企業がリードしており、短期間で挽回しようとしてもうまいくかどうか分からない」と付け加えた。

韓国政府は、サムスンや現代自動車などの財閥を引きいれて、中小企業の技術開発支援だけでなく、調達までの予定にすることにより、今度こそ国産化を成し遂げたいと腐心している。

(msn.com)

https://www.msn.com/ko-kr/news/national/%E6%97%A5%EC%8B%A0%EB%AC%B8-%ED%95%9C%EA%B5%AD-%EB%B0%98%EB%8F%84%EC%B2%B4-%EC%86%8C%EC%9E%AC-%ED%83%88%EC%9D%BC%EB%B3%B8-%EC%89%BD%EC%A7%80-%EC%95%8A%EB%8B%A4-%EC%A3%BC%EC%9E%A5/ar-BBWqYSQ?li=AAf6Zm

当記事は、日本経済新聞の11月8日朝刊「韓国、素材国産化に高い壁」の 記事を紹介したものです。

日本経済新聞の記事には、「LGディスプレーが、半導体の微細な回路を加工するエッチング工程で使用する材料フッ化水素の国産化に成功」という報道に対し検証がなされています。

当記事は同新聞の内容にこれといった反論もなく、同新聞の論調に概ね同意するとともに、韓国大手企業幹部が口をそろえて打明けた本音「国産化は経済原理には合わない。日本などとの国際分業が合理的だ」で結んでいます。

記事内、有力電機電子メーカーの幹部が語った日本の強み「品質、価格、納期など全てを満たしている」は、品質を測るモノサシ「QCD」(Quality品質・Costコスト・Delivery納期)そのものです。

日本企業は、品質管理の根幹3要素で依然として競争力を有しているのです。 品質管理において最も重視される根幹3要素はあらゆる製品・商品・サービスにあてはめることができます。

外食産業に例えれば、牛丼吉野家のキャッチコピー「美味い・安い・早い」の3要素です。「まずい・高い・遅い」だったら誰も寄りつきませんよね。

商品やサービスの品質は、Q×C×Dの掛け算です。QCDのうち、1要素が0点だったら、他の2要素が100点だとしても0点です。バランスが大事なのです。

牛丼を例にとれば、<国産黒毛和牛フィレ・新之助米・特選のたれ・国産の新生姜で造った紅ショウガ>×激安×<素早い料理提供>が最高品質だとします。

黒毛和牛ではとても採算が取れないからアメリカ産の「ともばら」部位を使ってCコストを下げる。調理を標準化してD納期=料理提供を速めるといった不断の企業努力を積み上げることによってQCDを最大の価値にもっていくわけです。

*ともばら: 牛の肋骨についた肉

2 thoughts on “韓国、やはり素材国産化に高い壁

  1. 研究開発と製品化との間には死の谷といわれるほどの高いハードルがある、という話、
    そして
    QCD について、牛丼を例にとっての話、
    面白かったです。
    働き蜂・日本人も、ダテに働いているわけじゃないとわかりました。

  2. ぽつりさん。いつもコメントありがとうございます、励みになります。20~30年前から日本の優れた技術者が、中国に出張し盛んに技術を伝承しているうちに、ずいぶんと経営や技術の差が縮んでしまったと感じます。

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