韓国から菅氏擁立論の名解説

先日(8月28日)、安倍首相は官邸で記者会見し、「病気と治療を抱え、体力が万全でない中、大切な政治判断を誤ることがあってはならない。国民の負託に自信を持って応えられず、職にあり続けるべきでない」と述べ、辞意を表明したばかりです。

森友・加計学園、桜を見る会等に見る権力による国家の私物化、黒川検事長の違法定年延長を強行しようとした問題など、何一つ事実が明らかになっていません。

森友学園問題では、財務省の文書改ざんに関わり自殺した職員の妻が、「夫は上司の命令で改ざんに加担させられた」として、国と佐川宣寿元同省理財局長相手に、約1億1200万円の損害賠償を求めて提訴し、7月15日に第1回口頭弁論が行われました。

そして、8月18日には、公務災害認定に関する文書の速やかな開示を求めた訴訟の第1回口頭弁論と果敢に法廷に立ち始めたのです。

「私は真実が知りたい」“森友”自殺財務省職員の妻・赤木雅子さんの意見陳述全文

(文春オンライン)

https://news.yahoo.co.jp/articles/0602d44b947694e8ed03d9d778be63f6ce940444

良識ある国民は、次の政権による真相解明に大きな期待を寄せているのですが、肝心の政権中枢は、今までの疑惑に蓋をして、けりをつけず惰性で政権運営していくことを最重要視しているようです。

韓国の聯合ニュースのイ・セウォン記者が、9月4日、実情をずばり記事にしました。

安倍首相はなぜアピールした岸田の代わりに、腹心の菅を選んだのか?

弱い後継者を推してライバルにやられるなら、次善の策

石破氏であれば「安倍政権による私学不正疑惑を再調査」を取り上げると懸念

(東京/連合ニュース/イ・セウォン記者)

早期辞任の意思を表明した安倍晋三首相が、後任首相に事実上、菅義偉官房長官を後押しした背景が注目される。安倍首相は当初、岸田文雄自民党政調会長に席を譲る考えだったが、岸田氏への支持表明を拒否し、腹心として知られる菅氏を推したことで、次期首相争いにおいて菅氏は一気に有利な立場に立った。

岸田氏の人気がなかなか上がらない中、ライバルの石破茂元自民党幹事長が次期首相になった場合、吹き荒れる影響を懸念した安倍首相と側近らが、代案として菅氏を選んだとみられる。

7年8ヵ月にわたる安倍独走体制で、自民党議員の多くが政権の不正疑惑に沈黙したり、同調したなかで、反旗を翻した象徴的な人物が石破氏だった。今月14日に予定された選挙を含め、自民党総裁選挙に4度目の挑戦となる石破は、過去2度の選挙で安倍氏と対決した。

自民党が旧民主党から政権を取り戻す直前の2012年9月の総裁選挙の時、1回目の投票で石破氏は1位を記録したが、決選投票で安倍氏に惜敗した。石破氏は2018年9月の総裁選挙で安倍氏と対決したが敗れた。

安倍首相は2012年12月の政権発足時、石破氏に自民党ナンバー2である幹事長の座を与えて抱き込み、2014年9月の内閣改造の時は、地方の活性化を担う特命担当大臣に任命したが、政権後半になって2人の関係が完全にこじれた。

結局、石破氏は独自勢力を模索しながら内閣を離れ、派閥を新たに作った。近年では私学財団と権力が癒着した指摘を受けた森友学園と加計学園の問題を取り上げるなど、安倍政権の失政を批判した。

政権後半に石破氏を徹底的に冷遇した安倍首相は、退任後に石破が権力を握る状況を最も懸念したと見ることができる。石破茂元自民党幹事長が今月1日、東京で総裁選出馬を宣言する記者会見をしている。

安倍首相はもちろん盟友である麻生太郎副首相兼財務相と「ポスト安倍」として候補に適任だと早くから判断した人物は、岸田氏と知られている。しかし、岸田氏の支持率は低調だった。安倍政権批判が高まる中、石破氏は有権者を対象にした主要メディアの世論調査では、2位と大差でトップを走っていた。

安倍首相が辞意を表明した直後の先月29〜30日、共同通信の世論調査に基くと、石破氏は34.4%、岸田氏は7.5%を記録した。党内でも岸田氏の力量に対する疑問が提起されていた。

岸田氏は、コロナウイルス感染症が拡散した中、所得が減少した世帯に対し、選別的に30万円を支給する案を推進し、これに合わせて内閣が追加補正予算案まで編成した。しかし、岸田氏と関係が深い二階俊博自民党幹事長らが「すべての住民に10万円支給」と覆したため、体面をつぶした。

岸田氏を支援すれば、安倍首相の政敵である石破氏が権力を握る恐れがあるという憂慮が頭をもたげた。二階堂氏と組んで岸田氏をけん制していた菅氏は、このような状況を見逃さなかった。

朝日新聞によると今月1日、総裁選に出馬する意向を表明しに来た菅氏に、麻生氏が「いつから首相になりたいと思ったか」と尋ねると、菅氏は「最近、若手議員を集めて聞いたところ、大半が石破氏を挙げたため私が出馬しなければならないと決意した」と説明した。

石破氏が森友・加計学園問題や財務省の公文書偽造行為再調査を取り上げることに関連し、菅氏は「後任候補として重要なのはそうした問題を二度と暴き出さない人」と周囲に話していたと同紙は付け加えた。 元閣僚の一人は安倍首相の健康が悪化し、次善の策として浮上したのが官房長官だと説明した。

安倍首相と麻生副首相は弱体の岸田氏を推したが、ライバルである石破氏が政権を握って自分たちにかかわる不正疑惑を暴く可能性を憂慮した。菅氏はこのような状況をうまく利用して形勢を逆転したとみえる。菅氏が7年8ヵ月の間、実力者である官房長官の座を守ったことも論戦の基盤になった。菅氏は派閥を離れて10年が過ぎたが、人事に影響力を行使して求心力を育てた。

副大臣や政務官に無派閥の若手議員を据え、自分を支持するグループに育て、昨年秋の自民党人事の時は、安倍首相に二階堂幹事長留任を誘導し、二階堂氏との関係を深めた。 二階堂率いる二階派は自民党7派閥の中で、一番先に菅氏の支持を決定し、菅氏擁立の口火を切った。

産経新聞は、安倍首相が辞意を表明した日の夜、岸田氏が派閥幹部らと東京の飲食店に集まり、対策を話し合ったが、この席に派閥名誉会長の古賀誠元自民党幹事長を呼んだことが、安倍首相と麻生氏が、岸田氏に背を向けた決定的事件だったという自民党多選議員の分析を伝えた。

古賀氏は安倍首相の政策に批判的で、地元福岡県で勢力争いを繰り広げ、麻生首相と非常にギクシャクした関係だということだ。

(yna.co.kr) https://www.yna.co.kr/view/AKR20200904067200073

4 thoughts on “韓国から菅氏擁立論の名解説

  1. 菅ーー
    臭いものに蓋、という姿勢をあっぱれなほどに貫いた人物ですね。
    もう、総理になるのは間違いがないようです。
    貴記事においてかれにみられるのは、根回し能力の高さ。
    ただの、権謀術数に長けたタヌキ親爺でおわるのか。それとも、さすがにここまで登り詰めたからには他の基準をより重大なものとして生きるのか。命を賭すのか。
    注視してゆきたい。

    1. 密室で次期総理を決めた茶番を万人がお見通しであるにかかわらず、「不正を正そう」という気概が感じられないのがこの国の特徴です。マスメディアが「権力を監視する」という最大の役割を放棄しています。総理に登り詰めたことをきっかけに「他の基準をより重大なものとして生きる」に切り替えないと、短命で終わりますね。

  2. 8年近くにわたる長期政権がようやく終焉を迎えたかと思ったら、その継続以外何の新味も打ち出そうとしない人物が、あっという間に最有力の首相候補になるとは。新しい風はいったいどこから吹いてくるのでしょう?

    1. 国民が望んでいるのは新しい風なのに、淀んだ空気のままです。マスメディアの斬り込みがないのも困ったものです。

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